ウマ科学会学術集会・JRA研究発表会のレポート

例年11月末〜12月初旬に、2日間にわたって馬に関する最先端の研究や情報を発信する学術集会が開催されています。
ここでは、「日本ウマ科学会学術集会」および「競走馬に関する調査研究発表会」にて発表された演題の中で、特に装削蹄や蹄病に関する演題の概要をご紹介します。

ウマ科学会学術集会・JRA研究発表会のレポート記事一覧

2018年のウマ科学会にて発表された演題の概要をご紹介します。<発表の概要>Low Heel/High Heel Syndrome は馬の動きに影響を及ぼすと考えられており、海外では整体師やカイロプラクターの間で注目されている。しかし関連した報告は少なく、臨床的な意義が明らかになっていないため、栗東トレーニングセンター在厩の Low Heel/High Heel Syndrome 罹患馬16頭(蹄...

2018年のウマ科学会にて発表された演題の概要をご紹介します。<発表の概要>蹄葉炎の診断には単純レントゲン検査が欠かせないが、近年では蹄内の血流障害を確認する血管造影検査が実施されるようになってきた。しかし蹄葉炎における血管造影検査の有用性については十分な報告がないため、2010年7月から2018年9月までに実施した蹄葉炎120蹄の歩様検査、単純レントゲン検査、血管造影検査の結果を用いて血管造影検...

2018年のウマ科学会にて発表された演題の概要をご紹介します。<発表の概要>アルミ製蹄鉄を接着装蹄した場合、蹄機作用を阻害する可能性があることは既に報告されている。一方で、海外では蹄機作用を阻害しにくいとされるウレタン製蹄鉄が市販されており、競走馬にも使用されているが、実際に市販のウレタン製蹄鉄を接着装蹄した場合に蹄機作用に与える影響についての報告はない。そこで、エクイロックスを用いてウレタン製蹄...

2018年のウマ科学会にて発表された演題の概要をご紹介します。<発表の概要>HANTON 蹄鉄とは、蹄側壁の一部分のみに接着する接着装蹄用の蹄鉄である。この蹄鉄はエクイロックスなどの接着剤が硬化するまでの間、肢を挙上しておく必要がないという利点があるだけでなく、蹄側壁の一部分のみで接着するため蹄機作用を阻害しにくいと考えられる。しかしJRA内での装着実績はないため、改装期間を4週間として20週間に...