ドクター・レドン講習会:急性蹄葉炎の装蹄法

2018年7月30日〜8月3日にわたって開催されたRic F. Redden主催講習会の講義内容の一部をご紹介します。
以下の掲載内容は、あくまでもRic F. Redden氏の主張をご紹介するものです。

 

● ここで述べる「急性蹄葉炎」とは、急性に発症し疼痛反応を呈すものを指す。蹄骨が変位(移動)していないものを急性蹄葉炎と呼ぶという定義があるが、臨床的にはその定義は不便なので、用いていない。

 

学術的な定義では「蹄骨が変位したものはすべて慢性蹄葉炎」とされているが、臨床の現場ではアメリカでも、疼痛が著しい跛行開始期の蹄葉炎を急性蹄葉炎、慢性化した蹄葉炎を慢性蹄葉炎と呼ぶ場合が多い。

 

 

● 急性蹄葉炎では、PA (ドクター・レドン講習会:蹄レントゲン画像の評価方法) が5°未満である場合、深屈腱の牽引力を小さくするために最低でもPAを18-20°まで上げる。Redden Modified Ultimate shoeを用いる場合、蹄鉄と蹄の間には、ACSと薄いフェルトを挟む。フェルトを蹄に接するようにACSの上に敷くと、蹄を乾いた状態に保つことができる。Redden Modified Ultimate shoe は蹄底部分が少し窪んでいるが、特に蹄骨尖直下の蹄底真皮を圧迫しないように注意する。
 PA

 

● 最も重要なのは、側望のレントゲン画像(外内側像、ラテラル像)を参考にして蹄骨下縁が蹄鉄の接蹄面と平行になるように調整することだ。こうすることで蹄骨尖が真皮組織を突き刺すのを防ぐことができる。接着はエクイロックスもしくはスーパーファーストを用いて行う。キャストを用いて固定することもできるが、蹄球部分の損傷を防ぐためにフェルト等を十分に用いる必要がある。蹄葉炎の激烈な痛みは、主に蹄骨尖が真皮組織を突き刺して真皮や骨が損傷することで生じる。深屈腱の牽引力を弱め、葉状層の損傷を防ぐだけでなく、蹄骨尖が真皮組織を突き刺すのを防ぐことも重要だ。