IHCS 2019:馬場の違いにより、装蹄の効果はどのように変わるか

2019年のインターナショナル・フーフ・ケア・サミットにおけるMark Caldwell氏(獣医師)の講演の一部をご紹介します。以下の掲載内容は、あくまでも Dr. Mark Caldwell の主張をご紹介するものです。

 

肢にかかる荷重は、荷重のかかる位置や方向だけでなく、馬場の深さや滑りやすさによっても大きく変わる。蹄は着地した後、前に滑ることで衝撃を和らげることができるが、滑りにくい馬場では骨や関節が損傷しやすい。一方、滑りやすい馬場では推進力が肢の上部に伝わりづらい。したがって、運動する馬場の深さや滑りやすさも考慮して装蹄する必要がある。また、側副靭帯や屈腱、繋靭帯を傷めた後、休養明けに深い馬場でリハビリ運動を行う場合には、蹄鉄の幅を変えることで蹄の沈み込みを変え、各腱・靭帯の負担を小さくすることができる。例えば、鉄頭部の鉄幅を広くすると蹄尖が地面に潜り込みにくくなり、深屈腱のテンションが維持されるため、浅屈腱や繋靭帯にかかる負担が減ると考えられる。

 

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