消毒薬の特性

蹄に用いる消毒薬を選択するためには、消毒薬の特性を知っておく必要がある。そこで、以下によく用いられる消毒薬の特性を記す。

 

蹄に使う消毒薬の選び方の原則
@ 対象とする菌を殺菌することができるもの
A 角質や知覚部のダメージがなるべく小さいもの
B 有機物の影響を受けにくいもの=糞や尿が付着しても効果が小さくなりづらいもの

 

パコマ
<メリット>
● 刺激性が低い
<デメリット>
● 有機物の影響をとても受けやすい (本来は100倍希釈で使うものだが、原液でないと効きづらい)
● 一部の細菌に効きづらい (大腸菌を殺菌する効果は低い)
● 真菌、ウイルスに効きづらい

 

イソジン液
成分:ポピドンヨード
<メリット>
● 細菌・真菌・ウイルスすべてに有効
● 効果が長時間持続する (6時間くらい)
<デメリット>
● 濃度が高いと葉状層に有害
● 有機物の影響を受けやすい (糞尿だけでなく、皮脂で効果が低下する)
● 殺菌まで1〜2分必要

 

オキシドール
成分:過酸化水素
<メリット>
● 殺菌力は強くないが、嫌気性細菌によく効く
<デメリット>
● 有機物の影響を受けやすい

 

アルコール
成分:70%イソプロパノール
<メリット>
● 即効性
● 有機物に強い
● 刺激性が低い
<デメリット>
● 一部の細菌とウイルスには効果がない
● 持続時間が短い (気化するため)
<特徴>
● 脱脂するため、蹄叉にかけると表面が乾燥する

 

ヒビテン
成分:グルコン酸クロルヘキシジン
<メリット>
● 皮膚に対して刺激性が低い
● 即効性はまあまあ (アルコールとイソジンの間)
<デメリット>
● 真菌とウイルスには効きづらい
● 有機物の影響を受けやすい
● 粘膜には禁忌

 

カビキラー
成分:次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤の有効成分と同じ)
<メリット>
● 細菌、真菌、ウイルスすべてに効く
<デメリット>
● 有機物の影響をとても受けやすい
● 刺激性が強い (金属も腐食させる)