蹄レントゲン検査の基礎知識記事一覧

レントゲン画像の名称レントゲン画像は、X線が入る方向→出る方向の順に呼称する。したがって、体の部位を表す名称を知っていれば、どの方向でレントゲン画像を撮影したかを理解できる。● 外内側像 (lateromedial view)=ラテラル像 … 外側から撮影した画像● 前肢:背掌側像 (dorsopalmar view) … 前肢を前側から撮影した画像  後肢:背底側像 (dorsoplantar ...

蹄レントゲン画像は、レントゲン照射角度や肢の踏み位置、荷重の偏りなどによる誤差が非常に大きいため、まずは獣医師が誤差の少ないレントゲン画像の撮影に努めることが不可欠です。蹄レントゲン画像を評価するためには、レントゲン画像だけに頼らず、常に蹄の観察結果と合わせて総合的に判断する必要があります。日本式・装蹄方針の立て方参考までに、日本式・装蹄方針の立て方の原則をここにご紹介しておきます。日本の装蹄師は...

※ アメリカン・ファーリアーズ・ジャーナル2017年12月号 (p.28-33) に掲載された記事の概要をご紹介します。以下の掲載内容は、Monique Craig の主張をご紹介するものです。装蹄は、難しい仕事だ。身体的な負担が大きいだけでなく、蹄の外観の変化から内部構造を推測するという超人間的な視点を求められる。新しいクライエントを引き受けた時、必ず、誰か別の人の仕事を引き継ぐことになる。蹄は...

● 蹄葉炎をレントゲン検査にて評価する際には、まずラテラル像(外内側像) が確実に真横から撮影されていることを確認する。真横から10°以上ずれていると、ローテーションが過小評価される。● レントゲン画像において長さを計測するためには、レントゲン画像に長さのわかるものを写り込ませてレントゲン画像上の長さを補正する必要がある。@ ローテーション型蹄葉炎もしくはシンカー型蹄葉炎であるかどうか判断するa:...

蹄骨炎とは炎症によって蹄骨の脱灰(demineralization)が進行する疾患。脱灰により骨密度が低下するため、レントゲン画像においてX線透過性の亢進が認められる。蹄骨には骨髄を容れる髄腔が存在しないので、骨髄炎は生じない。前肢に多く認められる。なぜ炎症によって脱灰が進行するの?骨は、常に破骨細胞が古くなった骨を破壊して吸収し、一方で骨芽細胞が新たな骨を形成することで一定の形が保たれている。こ...

感染性骨炎(infectious osteitis)だが、嚢胞様に見える病変蹄関節につながっていない嚢胞は、感染性のものである可能性がある。刺創による感染性蹄骨炎を抗生剤で治療すると、蹄骨内に濃縮された膿のポケットができることがある。これは、明らかにX線透過性が高く、骨嚢胞のように見える(Clinical Radiology of the Horse 3e p.78 Fig.3.15 b)非感染性...