対症療法としての装蹄療法記事一覧

変性繋靭帯炎(DSLD:degenerative suspensory ligament desmitis)とは繋靭帯が消耗することで球節が過度に沈下し、慢性的な跛行を呈す疾患。持続的な著しい疼痛から安楽死を必要とすることも多い。両前肢、両後肢に生じる可能性があり、後肢に生じる場合は直飛が伴うことが多い。疼痛をコントロールするために器具などを用いた球節の保持が試みられる場合もあるが、球節沈下の進行...

膝蓋骨上方固定とは内側膝蓋靭帯 (medial patellar ligament) が内側滑車稜に引っかかることで膝を曲げることができなくなる疾患。 膝を前から見た図相反連動構造(heel-upしたとき、浅屈腱や繋靭帯の負担が大きくなる?)により、膝が伸展位に固定されたとき、飛節も伸展位に固定されるため、飛節以下が伸展したまま、蹄を引きずる様子が観察される。膝関節が曲がりにくいものの、膝蓋骨固定...

蹄軟骨化骨症(sidebone)とは蹄軟骨が遠位から近位に向かって化骨する疾患。後肢よりも前肢で多く認められる。蹄軟骨や蹄軟骨を固定する靭帯が損傷し、損傷部に異栄養性石灰化が生じた結果、骨化するとされるが、メカニズムの詳細は明らかになっていない。半径の小さい円運動、硬い馬場での運動を多く行っている馬が罹患しやすい。蹄軟骨を固定する4つの靭帯異栄養性石灰化とは損傷(変性あるいは壊死)した組織や吸収が...