蹄レントゲン画像の見方

レントゲン画像の名称
レントゲン画像は、X線が入る方向→出る方向の順に呼称する。
したがって、体の部位を表す名称を知っていれば、どの方向でレントゲン画像を撮影したかを理解できる。

 


● 外内側像 (lateromedial view)=ラテラル像 … 外側から撮影した画像
● 前肢:背掌側像 (dorsopalmar view) … 前肢を前側から撮影した画像
  後肢:背底側像 (dorsoplantar view) … 後肢を前側から撮影した画像
● 背外掌内側斜位像 (dorsolateral-palmaromedial oblique view) … 前肢を斜め外側から撮影した画像
● 背内掌外側斜位像 (dorsomedial-palmarolateral oblique view) … 前肢を斜め内側から撮影した画像

 

また、胴に近い方を近位、遠い方を遠位と呼ぶ。

 

蹄骨の正常像
@ 外内側像=ラテラル像

伸筋突起には、総指伸筋腱が終止する。

 


蹄骨の下縁 (solar margin) と地面の作る角度をPA (palmar angle) と呼び、蹄バランスの指標として用いられる。サラブレッドにおけるPAの正常値は3-5度であるとされるが、品種によって正常値は異なり、個体差も大きい。PAにこだわらず、趾軸一致を目標とした方が良いと思われる。
ただし、蹄骨下縁の後端が水平線よりも下がっている場合、PAがマイナスであると表現され、是正すべであると考えられている。一般的に、趾軸が後方破折している場合にはPAがマイナスである。

 

A 背掌側像 (前肢)・背底側像 (後肢)

 

B スカイビュー像 (dorsoproximal palmarodistal oblique view)

 

スカイビュー像の撮り方例

カセッテに対して約65°の角度でX線を照射する。

 

C 斜位像 (oblique view)

 

斜位像の撮り方例

 

<参考資料>
Clinical Radiology of the horse 3e p.59-72