リハビリ期に有効な特殊装蹄法記事一覧

サスペンサリー・シュー(suspensory shoe)とはワイド・トー・シュー(wide toe shoe)とも呼ばれる。サスペンサリー・シューを前肢に装着すると、蹄が沈み込むような深い馬場の上では蹄尖が沈み込みにくくなるため、深屈腱の負担が増える代わりに、繋靭帯や浅屈腱の負担が減ると考えられている。深い馬場のみで toe wedge を挿入したときのような作用が生じるので、蹄が沈み込まないよう...

コラテラル・リガメント・シューとはアシンメトリック・シュー(asymmetric shoe)、ワイド・ブランチ・シュー(wide branch shoe)とも呼ばれる。内鉄枝または外鉄枝のいずれかの鉄幅が大きいため、蹄が沈み込むような深い馬場では蹄の内外いずれかが沈み込みにくくなる。蹄関節の側副靭帯を傷めた後のリハビリ期に、蹄関節側副靭帯の負担を減らすことができると考えられている。コラテラル・リガ...

浅屈腱炎に罹患する馬の蹄は、弱蹄踵になっていることが多い。趾軸が後方破折している場合には heel-up した方が良いように思われるが、獣医学的には、浅屈腱炎のリハビリ期には heel-up してはいけない、と言われている。この根拠となっている研究データを紹介したい。heel-upすることで浅屈腱の負担が増えることを示した研究論文の紹介<研究方法>サラブレッド3頭の前肢浅屈腱にセンサーを埋め込み、...

浅屈腱炎のリハビリ過程で馬場にて速歩運動をするときにはheel-upしてはいけない、と言われているということは既にご紹介した。(浅屈腱炎のリハビリ期にはheel-upしてはいけない?)研究データを参考にするならば、常歩ではheel-upしても浅屈腱の負担はほとんど変わらないため、ウォーキングマシンや曳き運動で常歩させるときには、heel-upしても差し支えなさそうだ。(ただし、浅屈腱の負担が小さく...

深屈腱の支持靭帯は特に蹄角度の影響を受け、heel-upすることで緩むため、深屈腱支持靭帯炎のリハビリ期には、heel-upすると良い。ただし、過度にheel-upすれば、深屈腱や深屈腱の支持靭帯の負担がかなり小さくなる分、浅屈腱や繋靭帯の負担が大きくなる可能性が高い、ということは、念頭に置く必要がある。(前肢では、蹄が滑りにくくなると浅屈腱・繋靭帯の負担が大きくなる?)

蹄骨骨折の主なパターン蹄骨の骨折は、以下の7種に分類される。この7種の骨折パターンを大きく分けると、以下の4種に分類できる。@ 掌突起(the palmar process)の骨折…T, ZA 伸筋突起(the extensor process)の骨折…WB 蹄骨辺縁が欠ける骨折…YC 矢状骨折:蹄骨先から蹄関節面にかけて亀裂が入るもの…U, V, X最も重要なのは骨折線が蹄関節面に至るかどうかを...