インターナショナル・フーフ・ケア・サミット2019 に参加して

インターナショナル・フーフ・ケア・サミットは、蹄病の対処法や解剖学など、普段の装蹄に生かせる基礎知識だけでなく、蹄に関連する栄養学、装蹄師としてのビジネス展開、オーナーや獣医師とのコミュニケーションの取り方など、装蹄師に有益な情報を総合的に提供するイベントで、年に1度、アメリカン・ファーリアーズ・ジャーナルの主催で開催されています。

 

このサミットでは装蹄師や獣医師による講演を聞くことができるだけでなく、「不同蹄の対処法」「馬場馬の装蹄法」「装蹄療法」など各テーマ別に少人数で行われる討論会に参加して情報を交換するとともに考察を深めたり、大規模な企業展示ブースにて装蹄に関連する新しい商品の説明を聞いたりすることができます。

 

ここでは、第16回目を迎えた2019年のサミットにおける講演の中から、いくつかの講演の概要を紹介致します。

インターナショナル・フーフ・ケア・サミット のレポート記事一覧

2019年のインターナショナル・フーフ・ケア・サミットにおけるMark Caldwell氏(獣医師)の講演の一部をご紹介します。以下の掲載内容は、あくまでも Dr. Mark Caldwell の主張をご紹介するものです。肢にかかる荷重は、荷重のかかる位置や方向だけでなく、馬場の深さや滑りやすさによっても大きく変わる。蹄は着地した後、前に滑ることで衝撃を和らげることができるが、滑りにくい馬場では骨...

2019年のインターナショナル・フーフ・ケア・サミットにおける Steve O’Grady 氏(獣医師)の講演の一部をご紹介します。以下の掲載内容は、あくまでも Dr. Steve O’Grady の主張をご紹介するものです。後肢の荷重中心点はより蹄踵側に存在する。鉄尾が短いと、荷重中心点より蹄踵側の支持基底面が小さくなる。したがって、蹄踵が過高にならないように留意し、鉄尾を長めにすべきだ。ただし...

2019年のインターナショナル・フーフ・ケア・サミットにおける Steve O’Grady 氏(獣医師)の講演の一部をご紹介します。以下の掲載内容は、あくまでも Dr. Steve O’Grady の主張をご紹介するものです。underrun heelとは、蹄踵壁が倒れて巻き込み、蹄踵負面が前に移動してしまったものを指し、日本では弱踵蹄と表現されている。蹄踵壁は一度倒れてしまうと、蹄踵の角質が下で...

2019年のインターナショナル・フーフ・ケア・サミットにおける Simon Curtis氏(装蹄師、Ph.D)の講演の一部をご紹介します。以下の掲載内容は、あくまでも Dr. Simon Curtis の主張をご紹介するものです。クラブフットの原因は、骨と筋・腱の成長のアンバランス、栄養、痛み、肢勢などであると言われており、クラブフットの対処法として、以下の方法が推奨される。負重しても蹄踵が接地し...

2019年のインターナショナル・フーフ・ケア・サミットにおける Scott Fleming氏 (Rood & Riddle Equine Hospital 獣医師)の講演の一部をご紹介します。以下の掲載内容は、あくまでも Dr. Scott Fleming の主張をご紹介するものです。● 蹄関節の内側側副靭帯が損傷した場合、休養明けのリハビリ運動を行う際に内側の鉄枝の鉄幅を広くすることで、蹄内側を...

2019年のインターナショナル・フーフ・ケア・サミットにおける Scott Fleming 氏(Rood & Riddle Equine Hospital 獣医師)の講演の一部をご紹介します。四肢蹄の蹄冠の下1/2インチ(約1.3cm)の位置に水平な亀裂が生じた症例があった。セレン中毒により同様の徴候が見られると報告されているが、発症機序の詳細は不明である。蹄底充填剤と連尾蹄鉄により蹄叉や蹄底に負...