後肢の跛行の原因記事一覧

繋靭帯起始部炎とは後肢の跛行、低パフォーマンス(後肢弾発力の欠如、エンゲージメントの低下)の原因となることが多く、長期休養、ショックウェーブ療法などにより跛行を改善しにくい。前肢の急性繋靭帯起始部炎の90%が予後良好だったのに対し、後肢の急性繋靭帯起始部炎のうち予後良好なのは14%のみだったと報告されている。飛節を後ろから見た図超音波検査● 後肢の繋靭帯は前肢の繋靭帯よりもやや薄く、筋細胞の含有量...

頸椎の変形性関節症とは変形性関節症とは炎症により骨の関節面が変形する疾患である。頸椎の椎間関節(intercentral joint)や関節突起間関節 (articular process joint)の変形性関節症により、脊髄自体や脊髄から出る神経が圧迫されることで腰痿(いわゆる腰フラ)、頸の疼痛、前肢の前方短縮(いわゆる肩跛行)が発現する。頸椎の外側面(横から見た図)頸椎の頭側面(前から見た図...

鶏跛 (stringhalt) とは飛節と膝が不随意性に過剰屈曲する疾患。重症例では、球節が腹部に触れるほど肢が高く上がることもある。機械性跛行に分類される。機械性跛行とは、筋肉を支配している神経の異常や、筋骨格系の機能異常・構造異常に起因する跛行をいう。原因・病態● 中足骨の近位背側面における外側趾伸筋腱の裂傷により、腱の癒着が生じている例がある。この場合は自然治癒することはほとんどないが、休養...

シヴァー病 (shivering) とは後肢を挙上および外転した状態で保持し、震えさせる疾患。同時に尾根を持ち上げる場合もある。歩様異常が毎歩ではなく間欠性に見られることもある。機械性跛行に分類される。機械性跛行とは、筋肉を支配している神経の異常や、筋骨格系の機能異常・構造異常に起因する跛行をいう。原因● 正確には明らかになっていないが、末梢神経や神経筋接合部の異常であり、インフルエンザ、腺疫 (...

線維化筋症 (fibrotic and ossifying disease)とは筋線維が損傷した後に線維化とともに癒着することによって歩様異常を呈す疾患で、線維化に伴いカルシウムが沈着する場合もある。主に半腱様筋、半膜様筋、薄筋、大腿二頭筋の癒着が生じ、歩幅の前方短縮と後肢の急速な尾側牽引が観察されるため、goose stepと称される。後肢の過剰屈曲は生じていない点で、鶏跛と区別できる。機械性跛...