ドクター・レドン講習会:慢性蹄葉炎の装蹄法

2018年7月30日〜8月3日にわたって開催されたRic F. Redden主催講習会の講義内容の一部をご紹介します。
以下の掲載内容は、あくまでもRic F. Redden氏の主張をご紹介するものです。

 

NANRIC 製レールシューをゆりかご状に変形させて装着する方法を紹介する。まず、蹄骨に平行になるよう、蹄叉基部まで蹄踵を削り落とす。この時、蹄骨から負面までの距離は20mm以上になるように注意注意する。鉄尾端が蹄叉基部に位置することは大事だが、角質を多く削り落とす必要はない。次に、蹄骨尖下部の蹄底が薄くならないように注意して蹄尖に上彎を付ける。

 


レールシュー装着前の削蹄法

 

● レールシューを鉄板の斜面を利用して曲げ、修整する。蹄底角を覆う部分と斜面は、ハンマーで十分にたたく。修整が終わった後、接地面をより滑らかにするためにグラインダーで凹凸を除去しても良い。

 

● レールシューを装着するとき、最大湾曲部は蹄関節の回転中心から地面に引いた垂線に一致し、鉄尾は蹄骨の掌突起と平行になるように注意する。鉄尾と蹄骨掌突起と間の距離は最低でも20mmは必要である。蹄鉄が前にずれてしまうことが多いので、鉄尾端が蹄叉基部に位置するように注意して装着する。接着装蹄だけでなく、蹄側部への釘付けによって装着できる症例もある。釘付けする場合、装着後に蹄鉄と蹄側部蹄壁の間に隙間ができてしまっても問題ない。

 


レールシュー装着法

 

● 経過を追って血管造影の結果を観察すると、装蹄が適切であれば蹄冠部の血管像が改善していることがわかる。蹄冠部の血管像が改善していれば蹄冠部に良好な角質の再生が確認できる。

 

● 鉄橋などで蹄叉に荷重をかける前に、蹄叉が硬く頑丈な良い状態であることを確かめる必要がある。柔らかく病的な蹄叉は荷重を支えきれず潰れるだけでなく、痛みが出る。蹄叉が良好な状態であるかどうか迷う場合は、鉄橋をかけた蹄鉄を釘2本で仮止めして馬の反応を観察すると良い。荷重を嫌ったり、踏み位置を前にずらしたりする場合は、蹄叉を切り取るのではなく鉄橋部分をグラインダーで薄くしてから装着する。

 

● 改装期間は症例によって異なる。蹄鉄の最大湾曲部が蹄関節の回転中心から地面に引いた垂線から大きく外れていることがレントゲン画像で確認されたら改装する。