ベルギー研究発表会:頸部の画像診断

2019年9月19〜21日にベルギー・ゲントにて開催された「馬のスポーツ医療とリハビリに関する研究発表会」におけるJean-Marie Denoix氏の講演の一部をご紹介します。

 

頸椎のトラブルと言えば不安定な頚椎によって頚髄が圧迫されることで生じるウォブラー症候群が有名だが、頚髄の圧迫により常に腰痿を発症する訳ではない。頸を曲げにくくなるだけであることもあるし、前肢の運動失調が重度であることもある。
頸椎の変形性関節症をご参照ください

 

Denoix氏は、X線検査により頸椎の関節炎が認められた症例の写真や動画を複数紹介した。ちょうど人が寝違えたときのように、物音がしても頸を曲げず、体ごと向き直る馬や、前肢の歩幅がまちまちである馬、頸を小刻みに振ることで不快感を表す馬の動画を流した後、障害飛越競技中、障害飛越の2〜3歩後に突然前肢から崩れ落ちた馬の動画を流した時には、会場からどよめきが起こった。
臨床徴候を紹介した後、X線画像および超音波画像を紹介し、画像診断法についての説明があった。残念ながら画像は掲載できないため、画像診断については Diagnosis and Management of Lameness in the Horse 2e や Equine Neckand Back Pathology 2e などを参照されたい。

 

<参考資料>
1. Lameness in Horses 6e p.847-853
2. カラーアトラス獣医解剖学上巻 p.246
3. Diagnosis and Management of Lameness in the Horse 2e p.649-654
4. Equine Neck and Back Pathology 2e p.175-193